アジャイル開発をはじめるときに読んでおきたい3つの本
とある記事がとても反響があるのを見ていた。
アジャイル開発のコミュニティでは、いくつか「バイブル」と呼ばれる本がある。たとえば、この本読んでおけばいいよ、みたいな。 それは、形式知化されている本とは違って暗黙知としてそれぞれの経験者のなかに溜まっているものだったりするので、一度ブログ記事として示しておく必要があるのかなと思って書いておくことにした。
自分がアジャイル開発を学んだ頃は、こういう本があまり多くなく、自分が勉強していくなかであらわれてきた本なのだけれども、 いまからアジャイル開発に興味を持って始めてみようという人にはすばらしい"高速道路"になることを期待したい。
おすすめ本リスト
アジャイル開発=スクラムという図式はあまり好きではないのだけれども、まぁ多くの人がスクラムを基準にすると思うし、自分もスクラムで始めることをおすすめすることが多いので、スクラムの本を中心とした。
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK
最初はこの本。スクラムマスターが四苦八苦しながらスクラムを進めていく形が描いてある。単に論理的な説明だけではなく、漫画形式で読みやすいのもいい。
- 作者: 西村直人,永瀬美穂,吉羽龍太郎
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/06/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
アジャイルな見積りと計画作り
アジャイル開発は計画をするし、見積もりをする。ただし、その結果を達成することを目標にはしない。それは、100%の見積もりができるのは、すべてできあがった後だからだ。といったことが図表とともに解説してあり、本来の見積りとはどういうものなのかが説明してある。
なぜいままでの開発は、リリース直前になると、多くの工数が必要になってくるのかということも説明できるようになるはず。
自分もそうだったけれども、アジャイル開発を始めて最初に驚くのはいままで常識だと思っていたことが事実ではなかったということ。この本を読むことで、アジャイル開発に対する不安の解消に繋がるのではないかなと思う。
アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
- 作者: Mike Cohn,マイクコーン,安井力,角谷信太郎
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2009/01/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 74人 クリック: 764回
- この商品を含むブログ (222件) を見る
アジャイルプラクティス
この本が出版されたのはとても前だ。しかし、プログラマー/エンジニアが持つべき"アジャイル"な精神が詰まっているのはこの本だと思う。
アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣
- 作者: Venkat Subramaniam,Andy Hunt,木下史彦,角谷信太郎
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 35人 クリック: 995回
- この商品を含むブログ (292件) を見る
さいごに
この記事ではアジャイルサムライを敢えて外した。アジャイル開発の書籍はそれぞれの場面にあわせて、専門書があり、広く浅く理解するのが難しい状況だった。それを変えたのがアジャイルサムライという本だった。その存在の意義もとても大きいし、なにより書籍としてきれいにまとまっていて、知識としてアジャイル開発を知りたいという場面にはとても適した本であるといえる。ただ、いまから実践するときに傍らに置いておきたい本かというと少し趣が異なると感じる。
少し古い情報が書いてあったりもするのだけど、「塹壕よりScrumとXP」というPDFも参考になるかも。InfoQからダウンロードできる。 塹壕よりScrumとXP
p.s.
ウォーターフォールを 「フェーズごとに進めていってフェーズごとのコミュニケーションをドキュメントという形で進めていくやり方」 と定義するのであれば、ウォーターフォールは進捗を図るための中間成果物が多すぎて、アジャイルやリーンではないと思うのだけど、どうだろう?